bandai
『トップをねらえ!』(Aim for the Top GunBuster)は、1988年、ガイナックスにより1話30分、全6話のOVAとして製作・販売されたSFロボットアニメである。第21回(1990年度)星雲賞メディア部門受賞。

庵野秀明初監督作品。本作品は『王立宇宙軍〜オネアミスの翼』だけを制作して解散するはずのガイナックスが興行不振により生まれた借金を返済するために作られたものである。地味な作風がアニメファンへ受けが悪かった同作の反省を踏まえ、本作ではキャラクター原案に当時『超時空要塞マクロス』などの美少女キャラクターで人気のあった美樹本晴彦を起用、そのタイトルに見られるようにアニメ『エースをねらえ!』や映画『トップガン』を始めとする往年の作品のパロディ的な構成とし、昭和時代のアニメ・特撮作品に対するオマージュを盛り込むなど、一見して明るくとっつきやすい作風となった。

本作はパロディを中心に始まりつつも、次第にシリアスな内容になっていく物語構造を持ち[1]、ジョー・ホールドマンのSF小説『終りなき戦い』から着想を得て、「ウラシマ効果」を積極的にストーリーに取り入れるなど、根底には重厚なSF描写や細かい科学設定がある。最終回の第6話はほぼ白黒で、作品題名以外はラストシーンにごくわずかな着色があるのみ。ラストは企画段階ですでに構想されており、庵野と岡田は「これならいける」という確信があったという。

バブル景気における家庭用ビデオデッキの普及を背景に多くのOVA作品が作られた1980年代にあって、映像やドラマ性を重視した本作は「OVAの金字塔」とも形容された。ビデオ1巻につき2話収録。1巻あたりの制作費は2500万円。1巻あたり3万本を販売。VHS、ベータマックス、LD、VHD、ビデオCDの5方式にて各全3巻リリースされている。

発売当時の宣伝などでは主人公タカヤ・ノリコとその声優である日高のり子、オープニングテーマ『アクティブ・ハート』・エンディングテーマ『トライAgain…!』を歌っているアイドル歌手酒井法子のトリプルノリコを売りにしていた。岡田斗司夫によれば、当初は酒井にノリコ役を依頼しようと検討されていたという。

なお、登場人物の名前はスタッフやガイナックス関係者に近しい人々の名前から取られているものが多く、主人公のタカヤ・ノリコは当作品の美術スタッフ・高屋法子から。オオタ・コウイチロウは岡田斗司夫の友人である漫画家・みんだ☆なお(眠田直)の本名からなどである。

第1話「ショック! 私とお姉様がパイロット!?」
    沖女におけるカズミとノリコのパイロット選抜に関するエピソード。
動画を観る

第2話「不敵! 天才少女の挑戦!!」
    ユング登場。太陽系外縁部に光速で飛来した物体の調査作戦が行われる。
動画を観る

第3話「初めてのときめき☆初めての出撃」
    リーフ64会戦。スミス登場。
動画を観る

第4話「発進!! 未完の最終兵器!」
    宇宙怪獣に裏をかかれ、太陽系への侵入を許す。火星沖会戦。ガンバスター初出撃。
動画を観る

第5話「お願い!! 愛に時間を!」
    太陽系絶対防衛戦。バスターマシン1号、2号での初出撃。そしてガンバスターに合体。
動画を観る

最終話「果てし無き、流れのはてに・・・」
    バスターマシン3号が完成、銀河中心部いて座A*にて最終決戦「カルネアデス計画」。
動画を観る